醸造元:小布施ワイナリー株式会社


今年の冬、軽井沢へ旅行に行けたので、長野でしか手に入らない酒を探してみた。今回購入したのは、ソガペールエフィス「ヌメロシス」サケ エロティック。ワインのようでいて、しかし確かに日本酒という、不思議な存在感を放つ一本だ。
ソガペールエフィスは、長野県小布施町にあるこだわりのワイナリーが、冬の農閑期のみ“趣味”として醸す日本酒だという。このワイナリーの特徴は、Sans Chimie(サンシミ)──「畑から醸造まで化学物質を使用しない」という思想に基づくワイン造り。当然、この日本酒にもその非化学物質思想が徹底されており、裏ラベルには細かな活字で情報がぎっしりと詰め込まれている。
2025池田米を、戦前の6号酵母と旧協会2号酵母で混成発酵。生酛による醸造をワイン設備と共用しながら仕上げているという。
“エロティック”の名の由来は、「辛い恋慕や狂おしい恋愛を経た大人の男女のみが解しうる退廃的な香味」と理解に難しい説明がされている。栓もワインと同じくコルクが使われており、飲み残し保存のためにバキュバンの使用が望ましい。
期待に震えつつ、普段は使わないソムリエナイフで開栓。
その味わいは、白ブドウを思わせる芳醇な果実香と、耽美な甘さ、そして鮮烈な酸味が混然一体となり、舌の上に物語の始まりを予感させる。一瞬ワインと錯覚させるが、すぐに「やはり原料は米だ」と気づかせる乳酸香が薄暮のように漂い、愛おしい旨味が静かに寄り添う。最後に訪れる仄かな苦みが、一杯の余韻に静かに幕引きをもたらす。
ワインのようでいて、ワインではない──そんな不思議な感覚。
僅かにマヨネーズのような風味も感じたが、これが“エロティシズム”なのだろうかと浅薄な思考を巡らせながら飲み進めた。本来はワイングラスでスワリングし、香味やグリセリンの質感を確かめるつもりだったのに、気がつけば「きき猪口」で飲み干してしまっていた。
リピート度89%
【独自判定】
香り:4
甘味:5
酸味:5
苦み:4
コク:4
乳酸:4
購入先:いまでや 軽井沢店
価格:¥1,800


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