醸造元:利守酒造株式会社


「雄町米の復活蔵」として知られる【利守酒造株式会社】は、岡山県赤磐市に蔵を構える 1868(明治元)年創業 の老舗酒蔵である。かつて絶滅の危機にあった酒米・雄町を守り育て、再び全国へ広めたその貢献は計り知れない。瀬戸内の穏やかな気候と、赤磐の肥沃な土壌に育まれた米を用い、米の旨味を最大限に引き出す酒造りを続けてきた蔵である。
代表銘柄「酒一筋」は、雄町米のふくよかな旨味と透明感のあるキレを両立させたブランドとして評価が高く、「米の個性を素直に伝える酒」を志向している。伝統を守りながらも、現代の嗜好に寄り添う柔軟な姿勢を持つ蔵としても知られている。
今回購入したのは【酒一筋 純米吟醸しぼりたて】。
しぼりたてならではのフレッシュな香味を楽しめる一本で、蔵元の説明では「雄町の旨味と新酒の瑞々しさが調和した酒」とのこと。期待を胸に一口含んでみた。
最初に感じるのは、パイナップルを思わせる南国系の吟醸香。その香りに続いて、しぼりたて特有の微かなガス感が舌の上で弾け、若々しい甘みと爽やかな酸が重なり合う。雄町米らしい複雑な旨味がしっかりと感じられるが、重たさはなく、むしろ軽やかに広がっていく印象だ。
そのまま口に含んでいると、乳酸由来の柔らかなニュアンスが現れ、米のコクと新酒のフレッシュさが心地よく溶け合う。最後にはパンチの効いた苦みが全体を引き締め、切れ味鋭い喉越しをもたらす。しぼりたてのフルーティさと辛口の鋭さを見事に両立させた仕上がりである。
老舗酒蔵が培ってきた雄町米の扱いの巧みさと、現代的なフルーティさが共存する一本。単体でも十分に楽しめるが、食中酒としても優秀で、刺身から焼き物、揚げ物、さらには味の濃い料理まで幅広く寄り添う懐の深さを持っている。
リピート度85%
【独自判定】
香り:5
甘味:4
酸味:4
渋味:5
コク:4
乳酸:3
購入先:和田音吉商店
価格:¥2,420


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