醸造元:冨士酒造株式会社


地酒ファンの間で人気の「栄光冨士」を醸す冨士酒造株式会社は、山形県鶴岡市に蔵を構える 1778年(安永7年)創業 の歴史ある酒蔵である。庄内の豊かな自然と清冽な水に恵まれたこの地で、二百年以上にわたり丁寧な酒造りを続けてきた。冨士酒造を営む加藤家は、加藤清正公に所縁を持つ家系として知られ、代々の当主の多くが「有」の字を冠した名前を受け継いできた。
この家系の伝統を背景に生まれた別ブランド「有加藤(ありかとう)」は、蔵元として特別に世に出す酒として、少量生産で丁寧に仕上げられ、加藤家の歴史と冨士酒造の技術を具現化した位置づけにある。
今回手に取った「有加藤 純米大吟醸 しぼり直詰生」は、搾ったその瞬間の香味を逃さぬよう、直詰で瓶に封じ込めたフレッシュな生酒である。生まれたての躍動感と、純米大吟醸らしい上質な透明感が共存する、冨士酒造の技術力を象徴する一本だ。
その味わいは、ミカンやビワを思わせる穏やかでスッキリとした吟醸香が口内に広がり、糖蜜のような濃厚な甘味が味蕾に浸透し、同時に柑橘系の酸味がアクセントとして味わいに変化をもたらす。そのまま口に含んでいると、深みのあるコクと旨味がじんわり広がり、最後にしっかりとした苦味が深煎りコーヒーのアロマのように官能的な余韻をもたらす。「栄光冨士」のように、口に含んだ瞬間に煌くような吟醸香こそないが、後半からじんわりと美味しさが広がっていくタイプである。柑橘系のフレーバーを含んでいるため、白身魚の刺身とも相性が良い。
リピート度84%
【独自判定】
香り:4
甘味:5
酸味:4
苦味:5
コク:5
乳酸:4
購入先:升新商店
価格:¥1,884



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