田酒 純米大吟醸 四割五分 古城錦 (青森県)

日本酒

醸造元:株式会社 西田酒造店

■ 西田酒造店という蔵について
西田酒造店は、青森市で1878年(明治11年)に創業した老舗蔵。
「日本酒の原点に帰る」という理念を掲げ、三増酒が主流だった時代にも米と水だけで酒を造り続けてきた職人気質の蔵だ。
1982年には「田酒」が雑誌『特選街』のコンテストで日本一に選ばれ、一躍全国区へ。
2003年以降は、活性炭ろ過の廃止、瓶火入れの自動化、冷蔵瓶貯蔵、精米工場の新設など、伝統と革新を両立させる設備投資を続けている。
現社長は原子力分野出身という異色の経歴を持ち、科学的視点と伝統技術の融合が蔵の現在を支えている。
代表銘柄には「喜久泉」「善知鳥(うとう)」「田酒」「外ヶ濱」などがある。

■ 幻の酒米「古城錦」とは
今回購入したのは「田酒 純米大吟醸 四割五分 古城錦」。
古城錦は1960年代に青森県で開発された酒造好適米で、草丈が長く冷害に弱いことから現在はごく少量しか栽培されていない希少品種だ。
大粒で心白が大きく、柔らかな旨味と穏やかな香りを生むことで知られる。
田酒の“米の味を素直に引き出す”造りと相性が良く、落ち着きのある上品な酒質に仕上がる。

■ テイスティングレビュー
● 香り
グラスから立ち上がるのは、もぎたてのリンゴやパイナップル、レモンを思わせるフレッシュな果実香。
華やかさよりも清らかさが際立ち、静かに広がる上品な香りが印象的。
● 味わい
口に含んだ瞬間、まず感じるのは古城錦らしい柔らかく上質な甘み。
砂糖の甘さではなく、果汁がじんわりと広がるような自然な甘さで、舌の上にふわりと乗る。
続いて、高原の風を思わせる爽やかな酸味がすっと立ち上がり、甘みとのバランスを美しく整える。
この酸味が味わいに透明感を与え、飲み疲れしない軽やかさを生み出している。
中盤には、控えめながらも膨らみのあるコクと穏やかな旨味が寄り添い、味わいに奥行きをもたらす。
さらに、ほのかな苦みがアクセントとなり、全体を引き締めてくれる。
● 余韻
甘み → 酸味 → 旨味 → 苦み が滑らかに移ろい、
まるで美しい旋律の音楽を聴き終えた後のような静かな余韻が長く続く。
田酒らしい“上品さ”がしっかりと息づいた一本だと感じる。

■ ペアリング
素材の味を生かした料理と相性が良い。

  • スダチを添えた醤油でいただくホタテや白身魚の刺身
  • 塩で焼いた焼き鳥
  • 抹茶塩で食べる山菜の天ぷら
    いずれも酒の繊細な旨味を引き立ててくれる。

■ まとめ
「田酒 純米大吟醸 四割五分 古城錦」は、
青森の幻の酒米と田酒の哲学が見事に調和した一本。
華やかさよりも、
“静かに寄り添う美しさ”
を感じさせる大吟醸で、飲むほどに味わいの奥行きが広がる。
田酒ファンはもちろん、落ち着いた食中酒を求める人にもおすすめしたい。
リピート度91%

【独自判定】
香り:4
甘味:5
酸味:5
苦味:3
コク:3
乳酸:3

購入先:升新商店
価格:¥3,685

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