羽根屋 愛山70 しぼりたて (富山県)

日本酒

醸造元:富美菊酒造株式会社

 富山県富山市に蔵を構える富美菊酒造株式会社は、1916(大正5)年創業の酒蔵である。北アルプス立山連峰を源とする清冽な水に恵まれたこの地で、四季の寒暖差を活かした酒造りを行っている。同蔵は、全量大吟醸規格という高品質志向を掲げ、手間を惜しまぬ丁寧な仕込みによって、透明感のある味わいを追求している蔵として知られる。

現在の蔵元・羽根敬喜は、大手発酵メーカーでの経験を経て家業を継ぎ、従来の「品評会用と市販酒は別物」という酒造りに疑問を抱いた。そして「すべての酒を大吟醸と同じ造りで仕込む」という方針を打ち出し、自ら蔵に入り実践することでこれを実現。手間のかかる限定吸水や丁寧な麹造りといった本来は高級酒に用いられる技法を全ての酒に取り入れ、新たな富美菊酒造の酒造りを確立した。

代表銘柄である羽根屋は、「誰が飲んでも美味しい酒」を信条に掲げ、軽やかさと旨味の調和を重視した酒質で多くの支持を集めているブランドである。国内外の品評会でも高い評価を受け、その実力は広く知られている。

今回購入したのは、羽根屋 愛山70 しぼりたて。酒米「愛山」を70%精米で仕込み、新酒ならではの瑞々しさをそのまま閉じ込めた一本である。

その味わいは、白ブドウを思わせる華やかで瑞々しい吟醸香が香り立ち、心地よい甘さと透明感のある酸味が見事に調和し、口内に喜びを与える。しぼりたて特有のフレッシュなガス感とともに、愛山らしいやわらかく上品な旨味が味蕾に染み入り、終盤にはほのかな苦味がアクセントとなり、感動的な余韻を残しながら綺麗に喉に落ちてゆく。酒米のダイヤモンド「愛山」が富美菊酒造の高い技術力により、見事に結実した完成度の高い一本。単体でも十分に楽しめるが、繊細な味付けの料理と合わせることで、その魅力はさらに引き立つ。寒さの残る季節の中に春の気配を感じながら味わいたい、完成度の高い新酒である。
リピート度88%

【独自判定】
香り:5
甘味:4
酸味:4
渋味:4
コク:3
乳酸:4

購入先:吉祥 西武東戸塚店
価格:¥1,900

コメント

タイトルとURLをコピーしました