醸造元:合資会社 寒菊銘醸


九十九里浜近くの自然豊かな地に、1883年(明治16年)に創業した寒菊銘醸。冬に凛と咲く小さな菊にちなみ、「小粒でも一徹に、末永く良い酒を造る」という想いが社名に込められている。全量純米・全量無濾過原酒を掲げ、米の旨味とフレッシュな酒質を大切にした造りが特徴だ。杜氏の柳下祐亮氏は元航空整備士という異色の経歴を持ち、その精密さと探究心が寒菊の酒質に新しい風を吹き込んでいる。
今回手に取ったのは、寒菊銘醸の人気シリーズ「OCEAN99」の春限定酒、「OCEAN99 凪 Spring Misty」。“OCEAN99”とは、蔵のすぐそばに広がる九十九里浜海岸を意味し、“海の99%はまだ知られていない”というコンセプトとともに、外房の海が持つ静けさ・透明感・奥行きを酒に映し取ろうとするシリーズである。「凪 Spring Misty」は、春の海に漂う“凪”の静けさと、春霞のような柔らかさをイメージして造られた一本だ。
その味わいは、パイナップルやマンゴーなど南国系フルーツを思わせる華やかな吟醸香が口中に広がり、嫌味のない甘露な甘さに、爽やかな春風を思わせる酸味が舌の上を駆け抜ける。生酒特有の濃厚な乳酸香の奥に、九十九里浜の大地の恵みを思わせるコクが静かに寄り添う。さらに、三寒四温を思わせるピリッとした苦みがアクセントとなり、綺麗な余韻を残しながら春霞のように静かに消えていく。春の九十九里浜に想いを馳せながら飲みたい、穏やかで心地よい一本だった。
リピート度88%
【独自判定】
香り:4
甘味:4
酸味:5
苦味:5
コク:4
乳酸:5
購入先:升新商店
価格:¥2,035


コメント