開華 純米大吟醸 中取り無濾過原酒 (栃木県)

日本酒

醸造元:第一酒造株式会社

 栃木県佐野市に、創業350年を超える酒蔵がある。その名も第一酒造。延宝元年(1673年)創業というから、徳川四代将軍・家綱の時代。歴史の重みが違う。この蔵のすごいところは、ただ古いだけじゃない。自社水田を持ち、社員が田植えから収穫まで手がける「農醸一貫体制」。米の等級検査まで自社でできる、全国唯一の政府認定米麦集荷業者でもある。杜氏は「下野杜氏」の流れを汲み、酒造一級技能士や「とちぎマイスター」などの資格保持者が揃う。技術力は折り紙付きだ。
そんな第一酒造が手がける銘柄が「開華」。名前の由来は、明治期の「文明開化」から。昭和11年に現在の表記に改められたという。
今回手に取ったのは、「純米大吟醸 中取り無濾過原酒」。搾りの中でも、最もバランスが良いとされる“中取り”部分だけを瓶詰めした贅沢な一本だ。
グラスに注ぐと、リンゴを思わせる華やかな吟醸香がふわりと立ち上がる。口に含むと、心地よい甘みとしっかりした酸味が舌の上に広がり、無濾過原酒ならではの乳酸香がふくよかに包み込む。山田錦らしい雑味のないコクがじんわりと染み入り、最後は強めの苦みが後味をすっきりと締めてくれる。一口ごとに、佐野の澄んだ水と空気が感じられるような、そんな美酒だった。
リピート度86%

【独自判定】
香り:4
甘味:4
酸味:5
苦味:5
コク:2
乳酸:3

購入先:升新商店
価格:¥2,200

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