醸造元:宮泉銘醸株式会社


宮泉銘醸は、1955年(昭和30年)に宮森啓治氏が花春酒造から分家し、「宮森啓治酒造場」として創業した。1964年(昭和39年)には宮泉銘醸株式会社として法人化されている。現在は4代目・宮森義弘氏が代表を務め、代表銘柄「冩樂」のほか、弟の宮森大和氏が中心となって手がける地元向けの定番酒「會津宮泉」も展開している。
もともと「冩樂」は、会津若松市内の酒蔵が廃業する際に引き継いだ銘柄である。4代目の宮森義弘氏は、廣木酒造本店「飛露喜」の美味しさに衝撃を受け、福島県清酒アカデミーで3年間学んだのち、徹底したデータ管理と衛生管理によって酒造りを一から見直した。しかし、この改革は順風満帆ではなかった。長年の経験と勘を重んじてきた現場にとって、若き蔵元が持ち込む“数値管理”や“衛生基準の徹底”は大きな変化であり、当初は軋轢も生まれたという。それでも義弘氏は、蔵の未来のために必要な改革だと信じ、現場と対話を重ねながら一歩ずつ改善を進めていった。その努力は早くも実を結び、「全国新酒鑑評会」でいきなり金賞を受賞。冩樂は一躍注目を浴び、宮泉銘醸は新たなステージへと踏み出した。
今回は、冩樂の中でもベーシックな一本である「冩樂 純米吟醸 一回火入」を購入した。
その味わいは、白ブドウを思わせる瑞々しい吟醸香が立ち上がり、自家製梅酒の梅を思い出させる爽やかな甘みと、スッキリとした酸味が見事なハーモニーを奏でる。口に含んでいると、立体感のある旨味が姿を現し、アクセントの効いた苦味が奥行きのある味わいを残しながら、長い余韻へと導いてくれる。日本酒界隈で高く評価される理由が頷ける、素晴らしい味わいに感動する。
幅広い料理に寄り添う懐の深い酒だが、やはり白身魚の刺身や天ぷら、ささみの梅肉和え、だし巻き卵などとの相性が良いと思われる。今回はウマズラハギの刺身を肝醤油で合わせたところ、刺身と酒の旨さが相乗効果を生み、至福の時間に浸ることができた。
リピート度88%
【独自判定】
香り:4
甘味:4
酸味:4
苦味:5
コク:4
乳酸:4
購入先:升新商店
価格:¥2,600


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