醸造元:十八盛酒造株式会社


十八盛酒造は1785年(天明5年)創業。岡山県倉敷市児島の地で、瀬戸内の穏やかな気候と良質な水に恵まれながら、二百年以上にわたり酒造りを続けてきた老舗である。岡山は“酒米の王様”と称される山田錦の名産地として知られる一方、古来より地元で愛されてきた酒米「朝日」の故郷でもある。蔵の姿勢は、単に酒を造るだけでなく、米そのものの個性をどう引き出すかという米への敬意に貫かれている。
蔵の代表銘柄「十八盛」は、「娘十八番茶は出花」という言葉に由来する。若い娘のように初々しく、淹れたての番茶のように香り立つ“最も良い時”を象徴する言葉であり、これに因んで蔵は「乙女の如く純粋無垢に、桜花の如く艶やかに」というキャッチコピーを掲げている。
今回は、酒米「朝日」を使用した「十八盛 朝日純米大吟醸」を購入した。「朝日」は背が高く倒れやすく、収量も多くないため扱いが難しいが、そのぶん旨味の芯が強く、噛むほどに味が出る米として知られる。精米歩合を大吟醸規格まで磨き上げながらも、米の輪郭を失わせない造りで設計されている。
その味わいは、口に含むとパインやリンゴを思わせる香しい吟醸香がふわりと広がり、円やかで落ち着いた甘味が舌に染み入る。微炭酸を含んだ心地よい酸味が涼やかな清涼感をもたらした後、米の旨味の輪郭がゆっくりと立ち上がり、最後にエッジの効いた鋭い苦味が後味を爽快に切れ上げる。晩酌のお供としては、マダイやカサゴの刺身などの海の幸と好相性であった。
リピート度86%
【独自判定】
香り:4
甘味:4
酸味:5
渋味:4
コク:4
乳酸:4
購入先:和田音吉商店
価格:¥2,000



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