醸造元:白菊酒造株式会社


白菊酒造は、1886年(明治19年)に創業した蔵元である。備中杜氏の流れを汲む「成羽杜氏」による伝統的な酒造りを継承している。当初の銘柄は「白菊」だったが、1928年(昭和3年)、昭和天皇の御大典と全国清酒品評会での優等賞受賞を記念し、「大典」の名を冠した。
1972年には未曾有の洪水により蔵が水没したが、翌年には最新設備を備えた新蔵を建設し、「成羽大関酒造」として再出発した。2007年には、輸出時の混同を避けるため、社名を「白菊酒造株式会社」に改称した。岡山県産の酒米にこだわり、絶滅したとされていた「造酒錦」を復活させ、世界で唯一の使用蔵として知られている。
今回は、岡山県西大寺地区産の雄町を使用し、ひと夏寝かせた「秋あがり」を購入した。焼きミカンを思わせる吟醸香がじんわりと広がり、強めの甘みと程よい酸味が柔らかな口当たりを生む。熟成による旨味が長い余韻を残し、包容力のある味わいに仕上がっている。秋刀魚の塩焼きや炊き込みご飯など、秋の味覚に寄り添う酒として薦めたい。
リピート度:79%
【独自評価】
香り:2
甘味:4
酸味:3
渋味:3
コク:4
乳酸:1
購入先:高島屋 横浜店
¥1,760



コメント