醸造元:株式会社 中勇酒造店


中勇酒造店は、1906年(明治39年)創業の、県内消費率が非常に高い地元密着型の酒蔵である。戦中の廃業を経て、三代目がゼロから再建を果たした。酒造りへのこだわりとして、伝統的な直火和釜による蒸米を採用しており、高圧で蒸すことで米の旨味をしっかりと引き出している。さらに、少量手造り仕込みを徹底し、普通酒から大吟醸まで、すべての酒に大吟醸並みの手間を惜しまず注いでいる。
「天上夢幻」という銘柄名は、登山仲間と山頂で試飲した試作品が「天の上で夢か幻を見ているようだ」と評されたことに由来する。現在では10カ国以上に輸出され、国際線ファーストクラスラウンジでも提供されるなど、世界にその名を広げている。
今回は、宮城県産ひとめぼれを60%まで磨いた特別純米の「ひやおろし」を購入した。
その味わいは、ザクロを思わせる控えめな吟醸香に、ほんのりとした甘みと落ち着いた酸味が調和。ひと夏を越えて熟成された米の旨味が、じんわりと舌の上に広がる。後味はすっきりとしていて過度な主張がなく、素材の味を活かした料理とも好相性。秋の夜長を静かに楽しむには、ちょうど良い一本である。
リピート度78%
【独自判定】
香り:2
甘味:3
酸味:3
苦味:3
コク:4
乳酸:1
購入先:こみやま modi戸塚店
価格:¥1,400



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