醸造元:合名会社 野口酒造店


珍しい東京の酒だったため購入。野口酒造店は1860年創業の歴史ある蔵だが、都会化の波により清浄な空気を保つことが難しくなり、40年前に府中本店での酒造りを断念。以来、長野の酒蔵へ酒造りを委託していた。しかし、2024年に40年ぶりの自社製造を復活。清浄な環境を維持するため、クリーンルームを備えた設備へと一新。佐賀の蔵元から木下大輔杜氏を迎え、府中の米と水を使った地酒造りに挑んでいる。
今回の酒には、東京農工大学が開発した「さくら福姫」を使用。茎が太く、台風や豪雨でも倒れにくい特徴を持ち、稲穂の量が多いため収穫量の高さも魅力。持続可能な米作りにおいて、有望な品種として期待されている。
その味わいは、梅を思わせる華やかな吟醸香に、強めの甘みとやや強めの酸味が調和。その後、円やかな米の旨味が広がり、至福の余韻を残す。40年ぶりの復活にもかかわらず、いきなり高品質な酒を再現していることに驚かされる。今後、さらなる人気が高まることが予想される。
リピート度86%
【独自判定】
香り:4
甘味:5
酸味:4
苦味:3
コク:3
乳酸:2
購入先:横浜 君嶋屋
価格:¥2,100



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